日々の切れはし

平穏で静かで小さな発見がある。一見何と言うことはないこんな日々を積み重ねると人生というタペストリーが織り上がる。小さな日々の切れはしを誠実に積み上げていくことこそが幸せ。そして幸せになるための工夫、幸せのための時間を確保するための効率化、努力を精一杯。

オリエント

 着物がぴっちり入るコロコロを探している。母の着物でお直しやら羽織に加工やら、着付けの先生に見てもらう着物を運ぶためだ。

色々調べると、グローブトロッター21インチがしっくりくるらしい。

今日早速実物を見に百貨店へ。

思っていたグリーンやグレーは店頭になく、代わりにアイボリー、ネイビー、オレンジ、ブラウンがおいてあった。

持ってみていいなと思ったのはコロニアルブラウン。しかしヌメ革のベルトといい、ゴールドの留め金といい、何となく高級趣味な感じ。シンガポールで買ったTUMIのスーツケースがお気に入りな私には似合わない感じ。

着物を運ぶものはいるのだが。

つれづれにグローブトロッターのサイトを見ると、オリエントと銘打つシリーズが。何とも言えない色の漆をほどこしたスーツケース。

オリエント、名前がしびれるな。

オリエント急行を思い浮かべるのは、もちろんクリスティファンだから。

いつかいつか乗ってみたいと思ったが今はなく、オリエンタル急行ならあるらしい。

それでも良いと思ってはや30年。今や長期旅行はいけない身。せめて瑞風なる豪華列車に乗ってみたい、いや乗るつもり銀婚式に。

その時には、オリエント、持ってみたい。

今日思い浮かべたこと

 あるブロガーさんの勉強会に行ってきました。

その中で30秒間だけ自分が思い描く理想の生活を考えてみてください。

と言われてイメージました。

ばーんと大きく出てきたのは家でした。

家の中でダンナ、子供、犬、猫がのびのび明るく暮らしているイメージ。

すっきりした家の中と、何よりおいしくて栄養のあるご飯を用意する。

それこそ、自分が目指しているものだと再確認しました。

その理想の生活のために、時間をお金を使わなければならない。

 

現実は、といえばshopping addictionでPCや携帯の画面を眺めてはポチ買いを繰り返し、買ったものを売り、また買い、購入資金のための財テクをし、そのための情報を集め各所に口座を作り、閉鎖し、また開設しを繰り返し。

子供が帰宅しても頭の中は、さっき見た洋服を買おうか買おまいか悩んでいる。

でごはんを片付けが終わったあと、再度どの洋服を画面に映し、たいていは購入してしまう。

 

しっかり今日イメージした理想の生活が送れるように進んでみよう。

 

それからブロガーの方の質問に答えるコーナーで

「物欲はないですか?」という回答は「自分で選んでこの生活をしているので、ないです。」ときっぱり答えていたところがとってもうらやましかったです。

自分で選び取る生活。

他人軸を取り外し、自分や家族のために。使おう、時間を。

貯めようお金を。

散財の後で決意

 1つ前の記事で大散財をしたことを書きました。直後はアドレナリンがでて、事に肯定的でしたが、順番に帯留やバッグが届く内、なぜこんなにもお金を使ってしまったのか後悔し始めました。もちろん、購入してよかった品物もありますが、どう見ても値段不相応な物もいくつか。特に金額が高いもの程そう感じる傾向がありました。カード支払いを含め100万ほど貯蓄額を減らしてしまいました。

自分で決めたこととは言え何だかショックです。これからは何も買わないぞと思っているのですが買い物サイトを検索するのがやめられないのでハードルは高そうです。

従って、失くした100万を回復するまで使わないという事を決意しました。

もう今月は、1日から始まったセールで使ってしまっていますし、誕生月は大体自分に甘いものです。ですので8月からとすることにしました。ひと月25万ほど収入がらあるので4ヶ月分。8月はボーナスがいただけるので、2ヶ月分貯まります。よって、8、9、10月を全く使わなければ回復できます。

3ヶ月なのでがんばれそうですが、10月は歌劇を観劇する集まりが開かれるのでその時の服が悩みそう。

いっそのこと着物で行けたらいーなぁと思うのですが、先日こう言った集まりで着物率が余りに低かったので思いとどまりそうです。

50歳前の小勝負

 50歳目前を控え、50歳と銘打つ書物を手当たり次第読んでいる。

50歳ファッション黄金セオリー (地曳いく子著)

50歳、おしゃれ元年。(地曳いく子著)

50代からのおしゃれバイブル(西山栄子著)

池田重子 美の遍歴

遅く咲くのは枯れぬ花(池田重子著)

 

 圧巻なのは、池田重子さん。

ジャスト50歳で「時代布と時代衣装 池田」をオープン。

旧財閥の奥様の残した運命の帯留との出会い、慰謝料として家を買うために持っていたお金を費やして畳20畳分のすべての帯留を買い上げた。(当時で800万ほど現在ではウン千万でしょう)。

帯留に合う着物や帯を求める内、「池田重子コレクション」と評されるすてきなコレクション展を開催するまでになった。

「池田重子コレクション」が丁度今月開催されていて、終了まで5回見に行った。

宝石を使った見事な細工の帯留

その帯留を活かすような着物のコーディネートの数々。溜息がでる。

 

すっかり魅了されてしまい、私も同じような帯留がほしくなった。

コレクション展と同時に出店していた「時代布と時代衣装 池田」屋さんで瑪瑙の帯留を買い求めたがまだお値段はかわいいもの。

隣の古美術商で翡翠帯留にひかれ「これを見せてください」といったが最後購入に至った。購入の際、値段を一桁間違えていて背中に冷や汗をかいた。でもまだまだ池田コレクションに比べたらかわいい値段。

 

オークションサイトを調べる内にコレクションと同時期(大正から昭和初期)の帯留を出しているお店が目についた。かなり似ている。

毎日サイトを眺める内に、とうとう本日気になった帯留9点を一気に競り落とす。

合計額58万円。

私にとってはドキドキする金額だが、池田重子さんの人生の大勝負に比べたら、小勝負くらいだろう。

 

おまけに、豪奢な着物の細かい手作業の刺繍を見続けたせいか、今まで見向きもしなかった刺繍を施したバッグに目がいくようになった。

青い孔雀が刺繍されたあるブランドのバッグ。

数日逡巡して、帯留の勢いで今日買い求めた。

 

しめて本日の散財代金78万円。

さすがにクラクラした。

 

 

 

 

運命の服

 1個前の記事で書いた美容室で雑誌を読んだ。

店主と相性がいいのかいつも会話が弾む、弾んだ中で読んだ雑誌はことのほか興味深く感じる。雑誌にはプラム色のリネンのブラウスと茶色のパンツのコーディネートが印象に残った。

さて、高揚した気持ちのまま美容室近くのモールを歩く。

リネンのブラウスのメーカーは覚えていたので、店を探すとモールの中にあった。

店に入った瞬間そのものずばりのブラウスが目に飛び込んできた。私が店に入った方向にまるで私に見せるがごとくそのブラウスが掛かっていた。

余りにタイミングがいいので、少々戸惑い他の服も見ることにした。

しかしそのブラウスの前に再度立ち止まる。

かわいらしい店員さんが寄ってきて「ご試着されますか」と聞く。しかし試着せずとも入りそうなサイズ感。ピンクめいた色は最近購入していないので念のため「別の色はありますか」と聞いてみる。色違いで4色ほどあったが、その色以外全部売れてしまったと店員さんが答える。即断。ほかに気になったブラウスもう1着とネックレスを買う。

包んでもらっている間、ショーケースに入った時計をみると、以前から気になっていた腕時計がおいてあって愕然とした。時計は何個も持っているのでさすがに買い控えたが、帰宅してからネットで検索すると売り切ればかりで、あの店にあったのは珍しかったようだ。

さて肝心のプラム色のブラウス、家で着てみた。ジャストサイズジャストな雰囲気。

ちなみにネットでは予約商品で来月中旬にしか購入できない。あの日あの場所で買うべき服だったのだろう。

 

サービスレベルは落としてはならない

 GWは行きつけの店に全部行った。

主人は仕事、子供は宿題漬け、ペットはペットホテル嫌いのため旅行はできない。なので毎夕食外食をした。

GWは店自体が混み市場が休みなので通常よりも覚悟するべきである。けれど馴染みの店はいずれもしっかしりしているので順番に食べ歩いた。

串カツも居酒屋も焼き肉屋も客は多かったがいつも通りだった。ネタがないのもあったがそれはきっぱりと「市場が休みなので」と断りが入った。

衝撃を受けたのは行きつけのお寿司屋。

寿司ネタが少ないのはわかる(漁はお休みだろう)、普段より客が多いのはわかる。

しかし、運ばれてきた握りはいずれも通常の「半分」サイズだった。

ミニサイズのお寿司に目を凝らした。

漁がいらない「たまご」だけ具が通常サイズになったため、他のネタに合わせたすし飯が小さすぎて不格好だった。

一貫ずつしか出ないお寿司屋だ。普段なら一貫でお腹は納得。

しかし満員のカウンターから「全部二貫ずつ」の注文が続く。

まんじりともせず会計を済ましたが、普段通りの金額。

帰り際ちらと目をやると細かく切られたネタが見えた。

GWのたくさんの客に合わせてネタを等分したか?

 

このお寿司屋、地元では高級店の部類に入ると思う。

清潔でピンとしていて珍しいお酒もおいている。一仕事必ずしてある。

家族でいけば名前はもちろん子供の部活まで記憶して流暢に話す店だ。

いずれにせよ、ミニサイズの握りは記憶に残り、しばらくはこの店に足を向けないであろう。少なくとも来年のGWは行かない。店の裏事情を客に感ずかせる時点で、もうこの店はどうかと思ってしまった。

 

さてGW開け、馴染みの美容院で髪を切る予定にしていた。

以前の美容院から独立してそのまま客になったところだ。

オープン仕立てだから台所事情は苦しいだろうと思っていた。

そこでは、カラーリングを定着させる時間に飲み物がでる。

これは以前の美容室と同じだ。以前の店から移った客がいるので継承しているのかと思っていたが、

「最近は紅茶がおすすめです」と言われたので頼んだ。

紅茶は都度お湯を沸かして一杯ずつ入れているそうだ。以前の店ではポットのお湯だったそうだ。おいしいお茶のため葉を購入し毎日研究しているとのこと。

アールグレーのいい香りの紅茶を飲みながら、サービスは向上しこそすれ、落ちてはならないと強く思った。

人生フルーツ 

 偶然が偶然を読んだ日。

直観や流れに従うと望んでいたことができた日でした。

「人生フルーツ」という東海テレビが制作した映画を見てみたいと思っていた。

高蔵寺ニュータウンの設計者で自らが設計し高度成長の波にもまれあらがい自身の設計した町作りがなされなかったがために設計した土地に住んだというお話です。

 ふっと1駅遠くの映画館のある駅のコープで買い物をしようと思いつきました。電車に乗り映画館付属のカフェでくつろぎ地下のコープで買い物をしたあと、駅に戻ろうとしたとき、映画館の今日の上映映画の広告が目につきました。

「人生フルーツ」、上映は1日たった1回12時から。

時計は11時半、ちょうど間に合います。

すぐ帰ろうと思っていましたがこの機会に映画館へ。

スムーズにチケットを購入でき、20分の待ち時間は近くの違う喫茶店へ。

流れに従っていたのに、唯一この喫茶店だけがミスでしたが。

(以前行ってイマイチだったのに、イマイチだったのを確かめにいってやっぱりイマイチだった。常連さんが大声で話す喫茶店は好きではない。)

 

人生フルーツ。

驚くことがたくさん。

設計者は東大卒で敗戦時マッカーサーを出迎えた人の一員だったし、奥さんは200年続く造り酒屋の一人娘だった。以下箇条書きでの感想。

・90才で建築家さんは亡くなるがその死に顔を結構長く撮影していたこと。

草刈りをした後昼寝してそのまま亡くなったそうなので、その眠るような自然な死に顔に撮影者は打たれたのかと思う。

・奥さんはご主人が亡くなられた後も、普通にご主人の分の和食の朝食を作り、遺骨に備えていたこと。そのそばで奥さんは朝食のパンを食べていたこと。(和食ではない)

・奥さんは「(主人に)きちんとしたものを食べさせ、きちんとした服を着せると巡り巡って自分に還ってくる」というようなことを言っていて、そのおかげでご主人は天寿を全うできたのだと思う。手作りの料理が大事ということの再確認。

高蔵寺ニュータウンに家を建てたと知っていたが、土地を300坪も購入していたこと(そこで自給自足の生活がされていた。庭にはたくさんの果実、野菜がとれる)

・野鳥の水飲み場の鉢がとてもすてきだった。鳥が水浴びしたり、水を飲んだり。

・山を削って作った新興住宅地に反対し、雑木林を家に作れば近所も雑木林だらけになると信じたが時代の流れから周りに雑木林は増えなかった。しかし高度経済成長期にあえて考えられた自然の地形を生かし、風が流れて緑が豊富な原案は40年めぐって今とても支持される図案になっていると思う。