日々の切れはし

平穏で静かで小さな発見がある。一見何と言うことはないこんな日々を積み重ねると人生というタペストリーが織り上がる。小さな日々の切れはしを誠実に積み上げていくことこそが幸せ。そして幸せになるための工夫、幸せのための時間を確保するための効率化、努力を精一杯。

50歳前の小勝負

 50歳目前を控え、50歳と銘打つ書物を手当たり次第読んでいる。

50歳ファッション黄金セオリー (地曳いく子著)

50歳、おしゃれ元年。(地曳いく子著)

50代からのおしゃれバイブル(西山栄子著)

池田重子 美の遍歴

遅く咲くのは枯れぬ花(池田重子著)

 

 圧巻なのは、池田重子さん。

ジャスト50歳で「時代布と時代衣装 池田」をオープン。

旧財閥の奥様の残した運命の帯留との出会い、慰謝料として家を買うために持っていたお金を費やして畳20畳分のすべての帯留を買い上げた。(当時で800万ほど現在ではウン千万でしょう)。

帯留に合う着物や帯を求める内、「池田重子コレクション」と評されるすてきなコレクション展を開催するまでになった。

「池田重子コレクション」が丁度今月開催されていて、終了まで5回見に行った。

宝石を使った見事な細工の帯留

その帯留を活かすような着物のコーディネートの数々。溜息がでる。

 

すっかり魅了されてしまい、私も同じような帯留がほしくなった。

コレクション展と同時に出店していた「時代布と時代衣装 池田」屋さんで瑪瑙の帯留を買い求めたがまだお値段はかわいいもの。

隣の古美術商で翡翠帯留にひかれ「これを見せてください」といったが最後購入に至った。購入の際、値段を一桁間違えていて背中に冷や汗をかいた。でもまだまだ池田コレクションに比べたらかわいい値段。

 

オークションサイトを調べる内にコレクションと同時期(大正から昭和初期)の帯留を出しているお店が目についた。かなり似ている。

毎日サイトを眺める内に、とうとう本日気になった帯留9点を一気に競り落とす。

合計額58万円。

私にとってはドキドキする金額だが、池田重子さんの人生の大勝負に比べたら、小勝負くらいだろう。

 

おまけに、豪奢な着物の細かい手作業の刺繍を見続けたせいか、今まで見向きもしなかった刺繍を施したバッグに目がいくようになった。

青い孔雀が刺繍されたあるブランドのバッグ。

数日逡巡して、帯留の勢いで今日買い求めた。

 

しめて本日の散財代金78万円。

さすがにクラクラした。