日々の切れはし

平穏で静かで小さな発見がある。一見何と言うことはないこんな日々を積み重ねると人生というタペストリーが織り上がる。小さな日々の切れはしを誠実に積み上げていくことこそが幸せ。そして幸せになるための工夫、幸せのための時間を確保するための効率化、努力を精一杯。

わたしの席の隣だった人

 だから、隣の席は星組トップスター紅ゆずるさんだったかも、と妄想するのはおやめなさい。と思うのですが、今日は(自分的に)「歌劇DAY」なので妄想にお付き合いください。(だれもつきあわないか。。。)

当日、トップスター退団の千秋楽は初めてだったので、珍しくてあちこち見る内に席に到着するのが遅くなりました。それにS席とはいえ、端っこゾーンの真ん中あたりなので一旦座ったらお手洗いに出られない、と開始ぎりぎりまで席につかずうろうろすることに。とはいえ、12時30分開場と同時に席のチェックと席に張り付けられたペンライトはバッグに入れておきました。

そのままスパークリングワインを飲み、ラウンジへ。お気に入りのから揚げをいただくことに。から揚げは最後の1パックだったらしく、私の注文と同時に「売り切れ、次回は幕間いになります」(うろ覚え)といった札がはられました。隣のおじさんが残念そうに「売り切れ?」と言っておりました。最後の1個をゲットしたことで私の運は向いてきたのでしょうか、席につこうとすると、どうみても私の隣はヅカの方。

さっと足を引っ込めていただくだけでスムーズに席までつくことができました。

それにあんまりじろじろ見るのもなんだし、と普通にしていました。

劇中はまぁさまの世界にいたので隣は全く気にならず(というよりもう一方の隣の席の方が相当のファンのようで手拍子完璧、でそのタイミングについていくのに精一杯だった)。

妄想紅さんは、双眼鏡で劇をよく見ておりました。

わたしはパッと見で、ヅカの生徒さん(その位若く見えた)と思っていたので、ふむふむ先輩の演技を勉強しているのだなと思っておりました(オイオイ)。双眼鏡を出す場面はまぁさまのみならずマリア皇太后、オリガなど銀橋にくる演技のとき見ていた感じです。

「神々」は5回目なので、どの場面でまぁさまが現れるか、どこからうららさんとかぶるのか知り尽くしていますので自然と目が動くのですが、紅さん(すでに妄想でなくなっている)ははじめてのようで、視線が違っていました。

「神々」は涙の内におわり、右隣の方はほぼ号泣。私もハンカチを出して涙をぬぐいました。生徒さん(この時はこう思っていた)は静かにしていました。

休憩中も、いつもは10分ほどで終わるトイレが大人数ですごく時間がかかり、私はパレード準備の劇場外も見学したくて、劇場を出ました。(いつもの公演と違い黄色の再入場券をもらいました。人数が多すぎて、チェックできないから?)。さよならショーを含めると第2幕以降2時間くらいかかるので、またトイレに並び、とうとう開始5分前のすみれの花が鳴ってしまい、でもトイレの中に。2分前位にやっと席にもどりました。

そのとき、紅さんは文庫本を読んでいました。

ヅカの人って教養あるなぁと思った一コマです。

第2幕の手拍子も私と右隣の人は完璧だし、音がよく聞こえるように大きく拍手していましたが、紅さん(どっちなんだ)は小さく小さく手拍子をしていました。ヅカの人はこんな風に手拍子するんだなと思っていました。

そこまでは生徒説のまま私の中で固まっていたのですが、前のブログに書いた通り、

シェークスピアのWill in the worldの前奏のときにペンライトを手にし、周りはどうして準備していないのだろうとちょっと見渡してカチッと正確にペンライトをつけました。それをみて慌てて私もカチカチとライトをつけ音楽に合わせようとしたけれど、結局隣の紅さんに振りを合わせることにしました。その時私は紫で紅さんが白色のペンライトだと気付いたのです。ペンライトは歌が終わった後さっとバッグにしまわれ、何だか席を立ち去る準備をしているようでした。ここで帰らないだろう?と思ったのですが、さよならショーが終わり舞台が真っ暗になって寿組長が表れたちょっとした間にパパっと立ち上がり出て行ってしまいました。

そしてまぁさまへの花束贈呈となるのですが、寿組長が「同期からは星組トップスターの紅ゆずるが駆けつけてくれました」とした瞬間。あれ?と思ったのです。

もちろん服はキラキラしたジャケットだったし、席に座っていた時とあきらかに違うのですが、あのタイミングで席を立ち、メイクと衣装に着替えたら丁度間に合う。

更に今日紅さんのなるべく素顔に近い画像検索している内にもしかしたら、と思ったのでした。そうだったかもしれないけれど全然わからなかったと子供にいうと「オーラ消してたんじゃない?」と言われ、やっぱりオーラってつけたり消したりできるのかしら。靴はちらっとみたけどローファーで茶と紺みたいなのだったし、服は忘れてしまったけれど、バッグはどうみてもそんなにいいものじゃなかったような。ブランド品を身に着けている(特にバッグ)ヅカジェンヌを見慣れているために、逆に生徒さんだと思ってしまったりして。

もしそうなら、すごく華奢で繊細で賢そうというイメージで、やっぱりファンになってしまいそう(そこ?)

けれど本当によかったのは、「生徒さんですか?」と話しかけなかったことです。

紅さんだったとしたら余りに失礼。でもね、話かけられないような透明なバリアがある感じでした。それもスター?

10月は「ベルリン、わが愛」をもちろん観に行きますが、紅さんだったかどうかなんてわからないだろうな、そう思っていた方が楽しいけれど。