日々の切れはし

平穏で静かで小さな発見がある。一見何と言うことはないこんな日々を積み重ねると人生というタペストリーが織り上がる。小さな日々の切れはしを誠実に積み上げていくことこそが幸せ。そして幸せになるための工夫、幸せのための時間を確保するための効率化、努力を精一杯。

「買ってやっている」は「売ってもらっている」?

 ナチュラルブランド系の服は好きだが、ブランドを出している会社は好きではない。

(ナチュラルブランドと書いているが正しい言い方はわからない。

ナチュリラ、リンネル、天然生活などで取り上げられるようなリネンや綿の服を出しているブランドである。)

 正直そういった会社に問い合わせてくしっくりきたためしがない。でも服は好きである。好きであるので手に入れたいと思う。しかしブランドの事情ゆえ取り扱い店は少なく、取り扱っていても目指す服はなかったり(小さなブティックが自らの才覚で買い付けするから)、完売になっていたりする。

 なのでシーズン初めになるとそういったブティックのオンラインショップを渡り歩き何時間もスマホやPCの画面を見るということになる。

 

 今年は珍しく1つのブランドからカタログが送られてきた。おそらく直営店のショップで買い物をしたからだろう。

全商品を冷静に品定めできるのでうれしかった。買いたいものも決まった。

しかし、いざ目当ての品を探そうとすると、直営店のオンライショップでは売っていない、馴染みのブティックでも取り扱いがない、オンライショップを検索し続けてもみつからなかった。

思い余って直接ブランドに問い合わせをした。

今まで検索したことがないオンラインショップを紹介され無事購入することができた。3点で10万円ほど。直営店で2万ほど購入した際にカタログが送られてきたからまた送ってもらおうと軽い気持ちでカタログを楽しみにしているという返事を書いた。

もちろんそのブランドの商品を購入できたことも含めて書いた。

しかし、回答は「購入履歴の高い方からカタログを配布します」と、私が該当しないような記載がなされていた。せっかく買い物をしたのに。という残念な気持ちと何だかしっくりしない気持ちが残った。

「お客様は神様である」とまでは言わない。しかし言い方というものがあるのではと思う。「せっかく購入してくれたのに直営店の購入履歴に限るので今回は申し訳ない」というようなそんな言い方を期待していた。

そういえば「直営店では完売です」と誇らしげに書いてあった。

マスなブランドではないから、1シーズンに製作する服数は限られるだろう。シーズン前の展示会で取扱店を集め注文をとり、注文数プラスアルファの数だけ作り、プラスアルファ分だけ直営店で販売する。即完売になるのは当然な気がする。そこを「直営店ではわずかしか置いていないのですぐなくなってしまいます」と正直には書けないか?

とりあえず丁寧に直営店では購入できない、直営のオンライショップで買う時があるかもしれないといった返信を書いた。本意が伝わるかどうか、おそらく伝わらない。

では一切そのブランド服を買うことをやめたらよい。

しかしやめられない。

何だか好きな彼女に邪見にされても追いかける状況に思えてくる。